自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語

概要

 王子はいつもイライラしていた。誰も自分のことを理解していないことに。
 そんなある日、見知らぬ道化師から命令に忠実に従い動作を行う「自動人形」の存在を知る。
 しかし自動人形と人間には大きな違いがあり。。。

所感

 著者の最新刊が発売されたので早速読了。
 「イタチ(*1)」の話と同様に、「人間が言葉を理解して行動を行う。」を
 機械(ここでは人形)で実現するには問題がいくつもあることを気付かされる。

 機械はその自然言語をそのまま処理する。
 前後の文脈も関係なければ、指示語も、共通認識も、社会の秩序も。
 登場人物である王子は、この人形への指示に大変苦労しているが、
 我々の日常においても、曖昧さが理解できなかったり、されないことは多い。

 この問題に対するブレークスルーはあるのか。
 (あったら、コンパイラもさらに賢くなっちゃうのかと期待してしまう。)