機械より人間らしくなれるか?: AIとの対話が、人間でいることの意味を教えてくれる

仕事関係の本を図書館であさっていたときに発掘。
「機械より人間らしくなれるか?」という題名にそそられて借りてみた。

毎年、最も人間に近い人工知能を意味するローブナー賞をかけたコンテストがある。
各AIはチューリングテストにより審査員と「会話」を行い
人間と判定されるよう務める。
著者はこのチューリングテストにおいて、AIと共に審査員に対して人間であることを
アピールするためのサクラという役割を担っている。

著者は人間らしさとは何か、機械との違いとは何かについて追求する。
例えば現在のコンピュータの計算速度は人間とは比較できないレベルである。
一方で人間の教育はこの計算や記憶の強化に務める方針であり、これは機械を目指しているのではないか。
また、必要以外の会話をしないコールセンターの人は機械ではないか。
人間の会話に定跡はあるのか。
機械にはできない会話とは。。。

本書を読むことで人間らしくある事を考えさせられる。
学生時代に読んだ「人間機械論」を改めて読み直す必要がありそうだ。

スパコンがチューリングテストに合格、13才の少年として反応 - Computerworldニュース:Computerworld
本書ではチューリングテストで機械が勝利したことは無いと書かれているが、
今現在調べるとそうでは無いようだ。

ソフトウェア見積り 人月の暗黙知を解き明かす

昨年に評価リーダーをやった際に、まともな見積もりが出来ずにPMに迷惑をかけてしまったので、
本書を読むことにした。

自分は技術者でスケジュールに関しては無頓着なので、全力でやればなんとかなると思ってしまう。
結果、工数を少なく見積もってしまい、あとで悲劇が訪れる。

本書では上記に関して技術者は楽観的にとらえがちであると記されており、その通りだと思った。
また、人間が判断するよりも数えられるものを数える、過去の実績があれば使うといった
大事なことが一つ一つ丁寧に書かれていてとても読みやすい。
さらに見積もり技法も数多く紹介されており、役立つ。
「人月の暗黙知」を書名通りに解き明かした一冊であり、手の届くところに常に置いておきたい。

僕がステークホルダーへプレゼンすることは少ないと思うが、
自分の考えた作業予定を上司へ報告する際には大いに役立つと思う。